「平和への権利」宣言について

メディアではほとんど報道されてないのであまり知られていませんが、現在、国連の人権理事会では「平和への権利」を規範化しようとする動きがあります。

 

20136月、私はジュネーブに行き、国連の人権理事会の状況を観察してきました。

 

2013613日、「平和への権利促進決議」は賛成30カ国、反対9カ国、棄権8カ国で採択されました。

 

この決議ですが、日本政府は「平和への権利」促進決議に反対票を投じました。

 

驚くべきことに、たとえば広島、長崎のヒバクを体験したにもかかわらず、国連での核兵器廃絶等の決議に日本は棄権・反対を繰り返してきました。

 

同じように、日本は「平和への権利」宣言を国連総会で採択しようとする決議に反対を繰り返してきたのです。

 

こうした対応、戦争の悲惨さ、とりわけ広島・長崎の原爆被害などの戦争の惨禍を再び繰り返さないために徹底した平和主義が採用されている「日本国憲法」を持つ日本政府の対応としてふさわしいのでしょうか?

 

また、「平和への権利」を規範化しようとする国際社会の動きに逆行して、日本では海外で武力行使ができる「国防軍」を創設しようとする憲法改正が安倍自民党政権によって進められています。

 

国連の人権理事会での動きを見ていると、日本の状況は「井の中の蛙」との感を否めませんでした。

 

「平和」を深化させようとして「平和の権利」を国際法典化しようと真剣な議論が国連の人権理事会でなされている中、そうした国際社会の動きに逆行して、海外で武力行使のできる憲法改正が議論になっている日本は国際社会からどう見られるのでしょうか?

 

国際社会で恥をかいているのは、国連の拷問禁止委員会で「シャラップ!」と怒鳴った上田秀明人権人道大使だけなのでしょうか?

 

飯島滋明